こんにちは、ネロリです。
毎日気分が良い日もあれば、何をやっても上手くいかない日もありますよね。
その日一日の「気分」が、仕事や人間関係、さらには人生全体にまで影響しているとしたらどうでしょう?
「気分をコントロールする術」を持つことが、幸せな人生を築く鍵になるかもしれません。
本記事では、15年程精神科の病院でカウンセラーの仕事をしているネロリがおすすめする、気分を整えるヒントや考え方を説いた著書『人生は気分が10割』を紹介します。
気分のコントロール法を知ることで、日常のストレスを軽減し、自分らしい穏やかな日々を過ごせるようになります。
この記事を読むことで、あなた自身の人生の質を高めるきっかけが得られるはずです。
- 気分の波に振り回されやすい人
➢気分を安定させるヒントが得られる - ストレスや不安を減らしたい人
➢気分をコントロールして穏やかに過ごす方法がわかる - 自己成長やポジティブな思考を目指す人
➢ポジティブ気分で自己成長を促す - 何となく不満や疲れを感じているけど、どうしたら良いか分からない人
➢気分を見直すことで問題解決の糸口が見つかるかも
書籍『人生は気分が10割』はどんな本?
気分がコントロールできれば人生もコントロールできる
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P1
本書はこの一文から始まります。
私たちの人生は一日一日の積み重ねです。
その一日を「良い日だった」「最悪の日だった」と決めるのは自分であり、その決定は気分に影響されています。
本書の著者キム・ダスルは、日々の気分が私たちの人生に大きな影響を与えていることを訴えかけ、気分をコントロールすることで、人生をより良くする方法を教えてくれています。
この本では、著者からの106個のメッセージの中で気分が人生を左右する重要な要素であると強調されており、その考え方を理解することで、日常生活をより豊かにするための具体的な方法が紹介されています。
本の詳細
-
- 著者
キム・ダスル
(作家、作詞家、コピーライター。Instagramを中心に人生に関するエッセイを連載) - 出版社
ダイヤモンド社 - 出版年
2024年3月5日 - ページ数
296ページ - ジャンル
自己啓発
- 著者
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本書の特徴
本書は見開き1ページにおおよそ1メッセージで構成されています。
どのページから読んでも、前後のメッセージに干渉されないので、気楽にいつでもどこからでも読むことができます。
字がぎゅうぎゅうにつまっておらず、適度な空間が読み手の心のゆとりも作ってくれて、ありがたいです。
そして、読者に近い目線で語りかけてくれている感じが親しみを感じます。
著者は特に「行動」の重要性を説いています。「気分を変えたいならば、行動せよ」ということだと、私は理解しました。
個人的には、文中には一瞬「それは違うのでは?」などと反発したくなるような文言も出てきました。
しかし、それがまた引き寄せられるのです。読み進めれば、「あぁ、なんだそういうことか」と腑に落ちるところに持っていってくれるのが癖になりました。
なるほどそうだなという共感と、そうは言っても難しいだろうという反発がせめぎ合うこともあります。

あなただったら著者のメッセージをどう受け止めるでしょうか?
本書を選んだ理由
書店に行った際、「店員おすすめ!」というポップと共に陳列されていたのがこの本でした。
私は自己啓発の類の本が好きです。
カウンセラーというお仕事をしていると、多種多様なお悩みをお聴きするのですが、ニュートラルな状態で共感的に理解するためにはセルフケアは大切だと思っています。
そのセルフケアに役立つような自己啓発本に関心を寄せることが多いのです。
本書のタイトル「人生は気分が10割」を見て、まず目についたのが10割という部分です。
「✕✕は〇割」といったタイトルがついている本はいくつかありますが、これは10割です。
10割ということは、それが全てということです。
随分大きくでたなぁ〜というのが率直な感想でした。
でも、そこまではっきりと言いたい主張が著者にはあるのだろうと思い、その主張に触れてみたくなった、というのが本書を選んだ理由になります。
本書の概要
本書のテーマは「気分が全て」というシンプルかつ強力な考え方に基づいています。
私たちの気分が、どのように意思決定や行動に影響を与えるかが具体例を用いて記されています。
たとえば、朝から気分が良いと、その日一日が順調に進むことが多いです。一方で、気分が落ち込んでいると、同じような状況でもストレスを感じやすく、対人関係もうまくいかないことがあります。
このように、気分が日常のあらゆる場面に影響を与えるため、気分を管理することが重要だという考えが本書の中心にあります。

私は本書が教えてくれる気分のコントロールは家の建築に似ていると思っています。
まずは、地ならし。ぐらつくことのないしっかりとした地盤があってこそ安定が生まれます。雨風を家の中にいれない工夫を施し、快適で安定した状態を保つためにメンテナンスをする。そして、その家の中でいかにより良い生活をするか。
地ならしが第1部、工夫が第2部、メンテナンスが第3部、より良い生活のためにすることが第4部に書かれているという印象です。
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第1部 「気分」の下地をつくる習慣
ガタガタして突っかかりのある地面をならすように、敏感でとげとげした気分を滑らかにして、少々の刺激を受けてもさらっと受け流せるような下地を作るための心持ちや行動のアイディアになるメッセージが書かれています。
気分を悪くする習慣を変えるには、「行動せよ」ということがメインテーマになっていると思われました。
第1部 著者のメッセージから感じたこと、さらに伝えたいこと3選
おすすめメッセージ①
アクシデントは「成長の糧」と考える
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P20
嫌なことやつらいことが立て続けに起これば、「どうして自分ばかりこんな目にあうのか」「いったい何のための人生なんだ」などと考え、悲観的・絶望的になって落ち込んでしまってもおかしくありません。
しかし、「もがき苦しみ立ち直る経験は、強固な装備を身につけた新たな自分になれる」という希望を与えてくれるということが、このメッセージから感じられます。
おすすめメッセージ②
毎食後に歯磨きをする
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P27
このメッセージの中には、ダメ人間まっしぐらな特徴がいくつも並べられており、それも思い当たるところがあるものばかり。さすがにこれはまずいと思わせられます。
認知(考え)と気分と行動はループでつながっています。
ネガティブ気分を変えるには、悪いルーティンを断ち切ることが必要で、ほんのちょっとの行動から始めるのが手っ取り早い方法ということです。
おすすめメッセージ③
「精神力のムダ遣い」をすぐにやめる
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P38
SNSや動画などはあっという間に時間を溶かす。そして、精神力をも奪っていく。
確かに、一度見始めたら終わりがなく、気付いた時には数十分経っていたなんてことはざらにあります。強者なら何時間単位で時間が経過しているかもしれません。
不毛な考え事も時間と精神力を削ぎます。
マインドワンダリングという言葉をご存じでしょうか?
目の前のことではなく、過去や未来に意識が向き思いを巡らせている状態のことです。
これが不安や後悔といったネガティブなマインドワンダリングだとしたら、相当消耗しますよね。
SNSにも動画にも不毛な考え事にも共通していることは、今ここに意識がないということでしょう。
精神力のムダな消耗をする行動を減らすのが、必要なことに集中してエネルギーを使うために重要なのですね。
第2部 上機嫌な人ばかりが周りに集まる習慣
自分の気分を荒らす人との距離を置き、自分を高めてれくるような人を大事にする。人との関係でどう考え、どう行動したらよいか?
第2部では、人間関係における精神安定を保つためのメッセージが書かれています。
人間関係において手放すべきは、未練や嫉妬といった類の感情を伴う関係。
「鬼はそと、福はうち」のように、悪しき影響を及ぼす人間関係を整理して手放し、良い関係と気分が育まれる人間関係を大切にするとよいというメッセージが感じられます。
大事にしたい人は、周囲にも良い影響力を与えられる人。「この人のようになりたい」そんな羨望の眼差しを向けられるような人のそばにいれば、きっと自分も磨かれていくのですね。
下を見て人を蔑んでいたって自分の成長はないけど、上を見て「こうなりたい」と努力すれば自分を向上させられる。
人との比較はよくしてしまいがちですが、どうせするなら自分も他人もおとしめることなく、自分を持ちあげる力が湧くような比較をしたいですね。
第2部 著者のメッセージから感じたこと、さらに伝えたいこと3選
おすすめメッセージ④
「できない理由」ばかり探さない
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P74
「できるわけない」「絶対失敗するよ」
そんなことわかるはずもないのに、予測をあたかも事実かのように言って、やらないことを正当化する。
もちろん自分もそんなふうにはなりたくないし、そういう人の近くにいて、自分が発展的に考えられると思えないですね。
結果がダメでも、また違う方法を探せばいい。動かないことこそ、失敗だ。
ちょっと勇気をもらえるメッセージです。
おすすめメッセージ⑤⑥
潔い人間関係を心掛ける
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P94
すべての人にとっていい人である必要はない
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P130
人に嫌われたくない。嫌われたら悲しいし、辛いし、苦しい。
だから、人に合わせて我慢したり、妥協したりして歩み寄る。
そんな密やかな懸命な努力をしても、噛み合わない、馴染めない人っていませんか?
人間は主観の塊で、合わない人なんてどこにでもいるんですよね。
それなのに皆に嫌われたくないって至極難しいことです。
全ての関係をうまくやらなきゃと思う必要はない。時に、潔く人間関係見直してみると、心がスッと軽くなることがあります。
第3部 落ち込んだ心を立て直すメンテナンス習慣
できるだけ気分を良い状態に保つ下地や習慣作りをしていても、やっぱり揺らいでしまうこともあります。
第3部では、大きな揺らぎが生じないように、しっかりと心のメンテナンスをしていくことが大事で、そのために役立てられるメッセージが書かれています。
人の力も偉大だけど、自分の気持ちを持ち上げてあげるのは、基本やっぱり自分なんだよなと、改めて感じさせられます。
第3部 著者のメッセージから感じたこと、さらに伝えたいこと3選
おすすめメッセージ⑦
弱ったときほど自分をほめる
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P154
弱っているのにもかかわらず、「こんな自分はダメだ」とさらに追い打ちをかけていませんか?
「今日も一日よくもちこたえたね」「頑張ったね」と自分を褒め、労ってあげよう。
だって、どれだけ大変な一日を過ごしたかは、自分が一番わかっているのだから。
自分を褒めて一日を終えるほうが幸福な眠りにつけますよね。
おすすめメッセージ⑧
「他人の意見」を真に受けすぎない
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P164
ファイナルアンサーは自分。
他人の意見はあくまで他人のものだから、必ずしもそれを自分のものにする必要はありません。
参考程度でよい。参考にすれば、自分の考えが広がりますからね。
大事なことは、自他の境界をしっかり持っておくということです。
おすすめメッセージ⑨
朝起きたら、すぐにふとんを蹴っ飛ばす
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P216
このメッセージ、面白くないですか?
ここでは、自尊心を高めるために今すぐにでも実践したい方法が紹介されています。
自尊心は自分との約束が果たせた時に向上すると著者は言っていて、「朝〇〇時に起きる」っていう自分との約束を果たす簡単な方法が「朝起きたら、すぐにふとんを蹴っ飛ばす」ということです。
確かに、起きる時間がほぼ毎日自分とする約束です。
“いずれ”“あとで”“あともう少し”ってやらなかったら、今は何も変わらない。
私も朝、ふとんを蹴っ飛ばしてみたいと思います。
第4部 人生がすべてうまくいく、「気分」のコントロール習慣
さぁ、ここまで気分の下地を作って、安定させるための工夫を施し、維持させるためにメンテナンスをしてきました。
人生を良くしたいなら、考えるよりも行動すること。
第4部では、著者はこのことを強く主張していると思われます。そして、気分をより良い状態にし続けるための大事なことがたくさん書かれています。
考えというのは、気分に直結します。
ネガティブな考えで足踏みしてたって、気分は変わりようがありませんよね。
だから、行動したほうがいいということです。
さらに、その行動の仕方も重要。どういう言葉を発し、どんな行動をしたら自分の心を守ることができるのか、考えるべきことは考えて行動しなければならないですね。
第4部 著者のメッセージから感じたこと、さらに伝えたいこと3選
おすすめメッセージ⑩
あれこれ悩むことに時間を使わない
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P230
考えてじっとしてるだけは、時間と経験のチャンスをダブルで失っています。
これは、もったいない。
私が好きなアーティストの歌で、「怖くても進め」という歌詞があるのですが、この言葉に背中を押されます。
進んだ先に成功があるものですね。
おすすめメッセージ⑪
「やりたくないこと」から秒で終わらせる
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P242
やりたくないことを後回しにしちゃうこと、ありますよね。
でも、結局はやらなきゃいけないから、頭の片隅でずーっと気になっちゃうんですよね。
やりたくないことって、たいてい難しいことや苦手なこと、めんどくさいことだったりします。
それをさんざん色んなことをやった最後に取り掛かるなんてもっと大変なんだから、さっさと終わらせてしまおうということです。
おすすめメッセージ⑫
すべてを止めて、本気でぼーっとする
キム・ダスル著「人生は気分が10割」P250
毎日の家事は休日を完璧に休むためにやるものだと考えるとよいと著者は言っています。
これは目からウロコでした。
平日仕事があって疲れているから、休日に溜め込んだ家事をやるというのが日常でした。
しかし、それだと休日のはずが、家事という仕事をしているのです。
結局は休み無しで働いていた!?
休日を本当の意味での休日にして頭を休ませてあげれば、また使えるエネルギーを作り出すことができますね。
どんな時に本書の内容を活かせるか?
人間関係
どんな人間関係を大事にし、逆に避けた方がよいのかという判断基準を示してくれています。
ただし、著者の言うことが全てではないはずです。

著者のメッセージをヒントにあなた自身が判断しましょう。
イライラや不安を感じる場面でも、自分の気分をうまく整えることで、落ち着いた対応ができるようになっていくことでしょう。
仕事や勉強
うまくいかない時、失敗した時、集中できない時に、気分を改善するための考えや行動のバリエーションが増えることでしょう。
うまく気分を改善することができれば、もっとパフォーマンスを上げることができるはずです。
生活習慣の改善
どんな行動が気分を悪くしていたのかに気づくヒントをくれています。
そのヒントをもとに、悪いルーティンを断ち切って、ネガティブ気分を変えていくことができるでしょう。
忙しい日常の中でも気分をリセットし、リラックスできる時間を作ることが上手になるはずです。
自己成長や自己改善
目標を立てて努力しているのにうまく進まないと感じる時は、気分がその足かせになっていることがあります。
気分が良ければ、自己改善に向けた行動も前向きに取り組めます。気分を改善するための簡単な習慣を取り入れることで、自己改善のプロセスがスムーズに進められるでしょう。
まとめ
本書は、日常生活に役立つ実践的なアドバイスが豊富に含まれています。
気分を整えることは人生に大きな影響を与えます。
気分が良ければ仕事のパフォーマンスも向上し、人間関係も円滑になります。
さらに、気分に敏感になることで、今まで気づかなかった自分の内面や思考のパターンにも気づけるようになるでしょう。
気分が良くなれば、生活全体が向上するというシンプルな考え方をベースに、「難しい自己改善ではなく、気分を良くすることから始める」という現実的なアプローチは、特にストレスを抱えやすい人や、生活をもっと楽にしたいと考えている人には大いに役立つでしょう。
ただし、注意すべき点もいくつかあります。
気分は確かに日常に大きな影響を与えますが、気分を改善することがすべての問題の解決策になるわけではありません。
例えば、うつや不安障害などの精神的な問題を抱える場合、気分をコントロールするだけでは根本的な解決にはならないことがあります。この場合、専門的な支援や治療が必要になることを理解しておくことが大切です。
『人生は気分が10割』を読むことで、著者からの多彩なメッセージをヒントにして、気分を改善、安定させるための行動や考えを選択していきましょう。
その小さな一つ一つの積み重ねが日常のストレスを軽減し、より良い人生に近づけていってくれると信じて。

そう、まずは行動です!