こんにちは、ネロリです。
あなたは、日常のストレスやプレッシャーに押しつぶされそうになり、感情に振り回されることはありませんか?
何か癇(かん)にさわることがあってイライラが抑えられないとか、過去のことを思い返してはクヨクヨしたり、色々なことが不安で動けなかったりはしていませんか?
ネロリは普段精神科の病院でカウンセラーというお仕事をしており、相談支援や生活指導に15年程携わってきています。
色々な方の悩みを聞く中で、感情に振り回されて苦しい思いをしているお話もよく耳にします。
病院に来る患者さんだけではなく、日常生活や仕事でストレスが高まり、怒りや不安、焦りなどでいっぱいになってしまうことは誰にでもあるでしょう。
そんな時、感情を上手に整理し、冷静さを保つための方法があるといいですよね。
今回は、日常生活や仕事で感情に振り回されないための実践的なガイドとして、
和田秀樹氏の『感情的にならない気持ちの整理術』をご紹介します。
・イライラが止められず、態度や行動に出てしまいやすい
・過去のことを何度も思いかえしては、落ち込む
・先の不安で頭がいっぱいになりがち
・人に合わせてばかりで、自分の感情を出せない
・なんだか心が満たされていないと感じる
感情のコントロールに悩む方には、必見の一冊です。
本書を参考にして気持ちの整理術を身につけ、もっと穏やかにもっとご機嫌でいられる生活を手に入れましょう。
『感情的にならない気持ちの整理術』はどんな本?
本書は、精神科医である和田秀樹氏が執筆した、感情のコントロールとストレス管理に関する実用書です。
本書が書かれた背景には、現代社会で多くの人がストレスや感情のコントロールに悩んでいるという現実があります。和田秀樹氏は、精神科医としての豊富な経験から、これらの感情をどのように整理し、健康的に対処するかを教授してくれています。
私たちが日常生活で感情に振り回されず、仕事や人間関係がうまくいくための感情コントロールの具体的な方法が豊富な図解とともにわかりやすくまとめられています。
本の詳細
✅️本の名前 『感情的にならない気持ちの整理術』
✅️著者 和田 秀樹
✅️出版社 ディスカヴァー・トゥエンティワン
✅️出版年 2017年
✅️ページ数 215ページ
✅️ジャンル 自己啓発
この本を選んだ理由
著者である和田秀樹氏は、実はどちらかというと感情的な人だそうです。
そして、私自身も喜怒哀楽が激しい感情的なタイプと認識しています。
著者は感情的なタイプといえども、感情に振り回されて失敗することは少ないといいます。
私はといいますと、特に『怒』に関してはコントロールが効かず、表に出してしまうことで後悔することがしばしばあります。
普段ご相談を受ける患者さんの話からも、感情に左右されて苦しんでいる方が多くいらっしゃることがわかります。
感情をコントロールできれば、もっと気持ちを楽に過ごせるはず!
そのために、どんなことに気をつけ対処したらよいかを今一度学びたいと思い、本書を手にしました。
あらすじとお役立ち学びポイントをピックアップ
第1章 心と脳のメカニズム10の基本
第1章では、心と脳のメカニズムについて10個のポイントにまとめられており、わかりやすく理解することができます。
感情に振り回されない気持ちの整理術をに身につけるには、まずは、なぜ感情に振り回されて不機嫌になってしまうのか、振り回されたらどうなってしまうのかを理解しておくことが大切でしょう。
10のポイントのうち、これは特に理解しておく必要があるだろうと思ったものをいくつか紹介します。
✓自分の感情を理解することが、感情をコントロールする第一歩。
✓相手に合わせてばかりいると自分の感情を裏切ることになり、結果不機嫌になる。
✓過去の事を思い出してマイナス感情になるより、「過去は変えられない」と理解する。
✓マイナスの感情にはマイナスの感情が返ってくるという反発の法則がある。
これらのポイントを見ると、イライラやクヨクヨしている時、「あ~やっちゃってるなぁ」と心当たりはありませんか?
自分が不機嫌になってしまう背景がここで理解できたところで、次に進みましょう。
第2章 感情的にならない考え方
第2章では、感情的にならずにすむ考え方について、8つのポイントでまとめられています。
感情的にならないために、特に重要だと思われたポイントをピックアップします。
- 完璧主義は不機嫌のもと。
完璧主義で自分を苦しめるよりも、80%クリアできればよしとする。どんな結果であっても、自分を褒めることで感情が前向きになるといいます。であれば、80%もいかなくても自分の努力を認め、先への励みにできるといいですよね。 - 人間関係のしがらみは不機嫌を生む。必要な時には「NO」と言えることも大事。
確かにそうでしょう。ただ、個人的にはこれはなかなかハードルが高いかもなと感じています。日頃から自分の気持ちを言える関係作りをしていくことが大事なのだと思いますし、万が一思ってることを言って壊れてしまう仲なのであれば、そもそも長続きはしないのかもしれません。後述する「複数の柱」を持っておくことで、「NO」と言える勇気が出るのかもしれません。 - 自分へのご褒美を作って、気分を上げる。
楽しいこと・うれしいことが先に待っていると思うと、頑張ろうという力が湧いてきて、不機嫌なんて吹っ飛ばせそうですよね。著者のおすすめは、1日おきにご褒美の日がくるように週3回くらい作っておくことだそうです。何ヶ月も何年も先のご褒美があっても、なかなかそこまで安定してご機嫌でいられることは難しいですもんね。わたしは1日の中でもプチご褒美を作ることがよくあります。例えば、この書類が仕上がったらコーヒータイムにしよう!とかね。 - 自分を支える複数の柱を持っておけば、1つの柱が倒れても、「別の柱があるから大丈夫だ」と心に余裕が生まれ、精神状態が安定する。
先のところでも少し触れたように、例えば自分を支えてくれるのがある友人一人だけだったら。もし、その友人とうまくいかなくなってしまったら、自分の支えが何も無くなってガタガタと精神状態は崩れてしまうかもしれません。「そんなの怖いし悲しいから自分が我慢すればいい」そんなふうに思って自分を押し殺してしまうことは、結果マイナスの感情を生みやすいです。あなたを支える柱は何ですか?それはいくつありますか?家族でも友人でも仕事でも趣味でも自分を支えてくれてると思える柱を複数作っておきましょう。
思考と感情はリンクしています。考え方を変えれば、感情も変化します。第2章のポイントを参考に自分の考え方を柔軟にできると、きっと感情に左右されることは減ってくるはずです。
さて、ネロリは怒りのコントロールが苦手ですが、感情的にならずにすむ考え方に関しては、まずまずうまくやれていると思いました。では、何か他に要因があるのでしょうか?
読み進めることにしましょう。
第3章 やってはいけない!ストレスを増やす行動・考え方
第3章では、ストレスをためて不機嫌にならない7つのポイントが挙げられています。
気づかないうちにやってしまっている修正がマイナスの感情を招いてしまうこともあるといいます。
- 一人で抱え込むのをやめる。
これは、私自身がよくやってしまっていたことです。「子どもにやらせても時間がかかるから自分でやったほうがいい」「夫に頼んでも、自分のやり方とは違うから自分でやってしまおう」こんなふうに考えて、結局一人で抱え込んで苦しくなるのです。多少時間がかかっても、自分のやり方と違っても、「まぁいいか」そう思えれば随分と気持ちが楽になりますし、結果的には時間も気持ちも余裕ができて不機嫌に終わらずに済みます。 - 言葉にしなくてもわかってほしい、察してほしいと期待しても理解されない。
「家族なんだから、親しい間柄なんだから、言わなくても感じてくれるでしょ?」そんなふうに思ったことありませんか?私はあります。表情や態度からなんとなく想像することはできるかもしれません。「疲れてそうだな」とか「なんかちょっと元気ないな」とかね。でも、本当のところは聞かないとわかりません。それは当たり前のことです。わかってほしいなら、話しましょう。話す気分じゃない?モヤモヤ・イライラしてるより、話したほうがよっぽど気が楽になるはずですよ。 - 人との距離感を近づけすぎないことで、良好な人間関係を築くことができる。
人との距離感は、どの人とも同じではありません。家族との距離感、友人との距離感、職場の同僚との距離感、知り合いの距離感、それぞれ違うはずです。例えば、家族との距離感を職場の同僚に求めたらどういうことになるでしょうか?とても親しくなって円満?そんなことはないはずです。近すぎず遠すぎずのほどよい距離感を見つけられるといいですね。
私の怒りのコントロールがききにくい原因は、どうもこのあたりにありそうでした。
一人で抱え込むのを減らし、わかってもらいたいなら話すようにし、それぞれの人との丁度よい距離感を探って関わりの調整をすることで、イライラが長引くことは少なくなったと感じています。
第4章 毎日、ごきげんな自分になる
第4章では、毎日、ごきげんになるためにやりたいことが9つのポイントでまとめられています。
著者は、以下のように言っています。
いきなり全部をやる必要はありません。少しずつ試していく中で感情をコントロールする習慣をつけましょう。
引用元:和田秀樹著「感情的にならない気持ちの整理術」P139
本に書かれていることを全部きっちりやれば、もう感情に振り回されることはなくなる!
そうでしょうか?
第2章で、「完璧主義は不機嫌のもと」とありましたよね。
なんでもきっちり全部完璧にやればうまくいく、というものでもないと思います。
著者の言うように、少しずつ試していけばいいんです。
毎日、ごきげんになるためにやりたいこと9つのポイントの中で、私が特に意識して実践している方法を以下に挙げます。
- 自分が変えられることを変えていく。
物事には自分で変えられることと変えられないことがあります。変えられないことの代表例が『他人』です。「こうなってほしい」「これはやめてほしい」と人に期待してしまうことはあるでしょう。でも、人を変えることは現実的に非常に難しいことです。人にはそれぞれ違う価値観・考えがあって、行動しているからです。自分と全く同じ考えを持っているわけではありません。それなのに、他人を自分の思うようにしようとしたって、うまくいくわけがないのです。だから、自分が変えられることを変えていくのです。自分が変わると、周りの反応も変わってくることがあります。これには、第1章で出てきた”反発の法則”も関係していそうですね。自分が不機嫌に対応すれば、相手も不機嫌に反応する。じゃあ、自分の不機嫌を変えればいいのです。簡単ではないかもしれません。でも、ムスッとした表情を笑顔に変えたり、頭ごなしに叱るのをやめてできたことを褒めてプラスαを伝えてみたり、まずは自分が何かアクションを起こしてみましょう。何もしないで変わらない現状に不機嫌になっているより、よっぽどマシになるはずです。 - 笑顔を習慣化する。
ニコニコの笑顔を目の前にすると、イライラの顔や不機嫌な顔を維持するのが難しくなったことありませんか?イライラなどのネガティブな感情が伝染するように、ご機嫌なポジティブ感情も自然と伝わってくるものです。ニコニコしている人を目の前にして、自分ひとりだけ怒っているのは居心地が悪くなります。むしろ笑顔につられて、怒ってるのがバカらしくなることもあります。そんな笑顔の魔力を自分自身も使っていきましょう。自分のご機嫌な笑顔が人にも伝わって、また自分に返ってくる。それって、素敵な循環ですよね。 - 朝の時間帯に自分の感情を整理する
朝の時間帯は、比較的自由がききやすいです。その時間を使って、感情を整理する時間を作るのです。朝、時間に追われてバタバタイライラしていては、もったいないです。行動と気持ちの余裕が持てるくらい少し早起きし、その日をご機嫌でスタートできるように、自分の心を整えましょう。
本書には、ここで紹介した方法以外にも役立ちそうなご機嫌になる方法が記されています。
「これなら自分もできるかも」という方法を見つけて、ぜひ実践して頂けたらと思います。
まずは結果を気にするより、試してやってみることです。
付章 今すぐ、気持ちが変わる!和田式・気持ちの整理術
付章では、今すぐ気持ちが変わる気持ちの整理術がなんと17個も紹介されています。
その中でも私が「これは本当にすぐできる!」「これは効果がある!」と感じられているものをピックアップします。
- 7秒間、深呼吸する
イライラしている時の脳は酸素が不足しているので、酸素を送るように深呼吸するのがよいそうです。アンガーマネジメントという怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングでは、怒りのピークは6秒間だといいます。7秒間の深呼吸で、この6秒のピークをしのごうということですよね。 - 自分の行動と気分をノートに書く
自分の一日の行動と気分を細かく書き留めてみます。それを振り返ってみると、自分のパターンが見えてきます。例えば、ご飯を食べてる時はご機嫌だな、朝バタバタ準備している時は不機嫌だな、そんなパターンがわかります。パターンを見つけられたら、ご機嫌になれる行動を増やしていくだけですね。さらに、不機嫌になってしまう行動は自分なりの工夫で改善できると、もっといいですよね。 - 髪型や服装を変えてみる
気分を変えたいから、イメチェンする。これはてっとり早くできる方法です。実際やってみたことがある人も多いのではないでしょうか?変えたい気分によって、服や髪型、髪色、メイク、アクセサリーなど色々と変化させてみてはいかがでしょうか?見た目が変わるって、なんかドキドキしませんか?そのドキドキを楽しんでみましょう。 - 状況をレポートする
自分で自分のことを俯瞰して見るようなイメージで、感情を客観的にレポートすると冷静に距離をとれるようになるといいます。これは、自分自身だけでなく人にも応用することができると感じています。私は子どもに対して実況中継のようにやってみたことがあります。「あぁ~今〇〇くんは△がうまくいかず、イライラしているようです!おぉっと、大きな声を出した!さ~ぁ次はどうするのか~??」などとレポートしていると、それが面白かったのかいつの間にかイライラはどこかにいってしまったようです。自分を客観視できると、感情に振り回されることが減りますので、ぜひお試しを。
まとめ
『感情的にならない気持ちの整理術』は、日常生活で感情を上手に整理し、冷静さを保つための実践的なアドバイスが満載です。
この本で紹介されている方法は、特別な道具やスキルを必要とせず、忙しい日常の中でも簡単に取り入れることができ、ストレスの多い職場や家庭、また人間関係でのイライラを軽減するのに役立ちます。たとえば、職場でのストレスを感じたときに、深呼吸をして一度気持ちを落ち着ける、といったテクニックを日々の生活に取り入れることが可能です。
本書を絶対のマニュアルというより、感情をコントロールをつかむためのヒント集として活用してほしい
引用元:和田秀樹著「感情的にならない気持ちの整理術」P215